荻上 どうなんでしょう、東さんも恐らくそうじゃないかと思うんですが、ぼくはニコ生に出ることにはそれほどストレスがない。粘着コメントもそれほど気にならない。でも、ニコ生に出演するゲストのなかには、すごくヘコんで帰っていく人もいる。
東 あのコメントを「人間」の意見として受け取っているんでしょうね(笑)。
荻上 コメントを「人間」の意見だと思っている人は、自らも「人間」たらんというプレッシャーを抱えるかたちで、人間観が強固に築かれているといえる。でもだとすれば、ニコ生的民主主義は、そういった人間観を共有している人については、過剰なプレッシャーを負わせるような装置にもなるのではないでしょうか。
東 それはやはり、その人間観を解除していただくしかないでしょうね。これからの社会においては、それはそもそも現実にそぐわないので。そもそもリベラルの人たちって「社交的」で「無限の他者に開かれている」とか言っているだけで、彼らほど「他者」に弱い人はいないですよ。
荻上 文字通り体現出来るような人は少ないですね。
東 実際には、「無限の他者に開かれている」と言っている人にしか開いてくれないんだもの。それ、全人口の何分の一なんだと(笑)。