東 でもぼくはそっちにもあまり期待していないんですよね。この本については全然読者に期待していないですよ、じつは。インタビューでこんなことを言うのも良くないけど(笑)、売れると思っていない。
荻上 えっ。
東 話題になるとすら思っていない。だってこの本は、ぼくがはじめて将来の読者に向けて書いた本なんですよ。だからツイッターでもこの本の宣伝とかやる気がないわけ。どうせわかってもらえない、と思っている。それは傲慢さとかそういうことではなくて、率直に言えば、いままでもずっと、ぼくの本当にやりたいことを受け入れてくれた読者なんていないわけですよ。だから毎回「違うフリ」をしながら本をつくっている。アニメとか現代思想とか。でも『一般意志2.0』では、違うフリをしないでぼくのやりたいことをやっているから、あまりいまの読者には期待していない。
この本は抽象的だし、実現可能性はないし、思想といったって厳密なルソーの読みをしているわけでもない。批判はいくらでも言えるじゃない(笑)。だからぼくとしてはセールスとか反響には期待していなくて、「賭け」として将来、読まれ方が変わって高く評価されるようなことがあればいいなあと。そんな夢ばかり見ている人生なんですよ(笑)。